女なんて皆同じ(10.琢磨)
大恋愛の末に結婚したにも関わらず、気持ちが離れ…浮気して…離婚して……
中学生の多感な時期に、父親と母親が罵りあう姿をさんざん見てきた俺。 「どっちでもいいから、早く決めれば?」 親権を争う頃には、冷めた高校生になっていた。
母親が出て行った翌月、父親が再婚したのは…俺の顔を見て頬を染めるような若い女!
無性に腹が立った。 「俺の母親になるつもりで来たんだろ!? 色目を使うな!」 そう言って怒鳴ってやりたかった。 でも浮かれた顔の父を見ていると、バカバカしくなってきて…… 「アパートを借りて、独り暮らしをしたい」 気がついたら、そう言っていた。
反対するかと思っていた父は、あっけなく承諾した。 俺が切り出すのを待っていたかのように…その場で話が決まった。
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その頃、既に182cmあって周囲からも目立っていた俺は、よく告白された。 ほとんどは、俺の見た目にしか興味が無い女たちからだった。 「クールでカッコ良くて、一緒に歩くのに最高だもん♪」
それなら俺も、見た目で選ぼう。 中身なんて関係ないんだろ? だったらセフレで充分だ。
中には真面目な子も居たが…彼女なんて要らなかったから、断った。 『愛』なんて、信用できなかった。 好きだの何だの言ったって、結局ヤることは同じ。 感情なんて要らない。 お互い、その時を楽しめたらいい。
それ以上のものは…何も要らない…
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就職してからは「社内の女とは付き合わない」と言って断ってきたが 「じゃあ、辞めたら付き合ってくれるんですね?」 そう言って、辞める女もいた。
呆れて、ものも言えない。 俺は「辞めたら付き合う」なんて言ってない。 「お前は、何の為に就職したんだ?」と、逆に聞きたいくらいだ。 仕事に支障をきたすような、そんな女は要らない。 だが上層部は…俺の所為で女子社員が辞めていく、と…そう判断した。 本当にバカバカしい。 俺は何もしていない! 誘いを『断った』だけだ!
会社に嫌気が差してきた頃。 俺は、大学の後輩が起業するのを聞きつけ…そこへ再就職することにした。
でも根底に在るモノは…『女なんて皆同じ』
俺は、ずっとそう思っていた…… |
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