告白%切望

(義人side)

 

 

「ヨシ、昼メシ一緒に行こうぜ」

「ああ…」

昼休みに入る直前に、藤島が僕の所へ来た。 

そして僕たちは、会社から離れたビルにある和食の店へ入った。

 

 

 

「あれから俊介とは、話ができたか?」

「…まるっきりダメだ。優希ちゃんの話題になると、表情も一変してしまう。未だに入院先も分からない状態だよ…」

 

こんな僕のことを心配してくれる、ありがたい友人に、心で感謝しながら答える。

 

「そうか…。俺も聞いてみたんだが、『お前に教えて、勝手に見舞いに行かれたら困る』なんて言いやがって…アイツ…」

「…サンキュ。……藤島にまで迷惑かけてしまって、すまない」

「お礼はいらないよ。で、お前…自分の気持ち、ちゃんと分かったのか?」

「ああ。僕は…優希ちゃんのことが好きだったんだ、ってことが分かったよ」

「やっぱりな」

「やっぱり?」

「なんとなく分かってたよ。それに優希ちゃんが…お前を好き、ってことも…な」

「嘘だろ!?」

「今のお前にとっちゃあ酷なことかもしれんが…事実だ。5年前、俊介の家で優希ちゃんに会ったろ?あのときからお前に好意を持っていた、って…。誕生日の前日、食事に行ったときに話してくれたぞ。『お兄ちゃんには内緒ね♪』ってな」

「うそ…だ…」

「『また会えて嬉しかったのに、係長は私のことを全然覚えてなかった』って、落ち込んでたぞ?それをお前……俺に一言でも相談してくれていれば…」

 

ガタッ!

 

食事の途中だったけれど、思わず立ち上がった。

椅子が倒れたけれど、そんなの構っていられなかった。

「すまん、先に行く」

藤島の言葉を最後まで聞いていられなかった僕は、テーブルの上に代金を置いて店を飛び出した。

 

 

彼女に好かれていたことを知って嬉しかった。と同時に、ショックだった。

「僕は、その彼女に何をした!?」

そう思ったら……

 

 

* * * ☆ * * * ☆ * * * ☆ * * *

 

 

藤堂の車を尾行して、病院まで行くことを思いついた僕は…課長に早退する旨を伝え、地下駐車場で藤堂の車を見張っていた。

 

普段は得意先との接待等で飲酒するため、タクシーを利用していた藤堂だったが…今は優希ちゃんの病院に寄って帰るため、接待も入れずに自家用車で通勤している。

そこに目をつけた。

 

もう彼女に会えないなんて、そんなの…嫌だ。

どうしても優希ちゃんに会いたい。

謝るのは勿論だが、彼女に伝えたいことがあるから。だから……

 

 

僕は必死だった。

 

 

 

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