未来へ…

(義人side)

 

 

≪藤堂が密かにショックを受けた(?)翌日、義人は社長室に乗り込んだ≫

 

 

「ヨシ、お前…いつの間に優希と…なんでお前が…」

「僕たちは、結婚を前提に付き合うことにしたからね。よろしく、義兄(にい)さん」

「なんだと!?」

驚いた藤堂が、椅子から立ち上がる。

「僕は優希を愛している。もちろん優希もだよ♪…何か問題でも?」

わざと挑発して相手を怒らせるような言い方をする僕。

「オイ!何を勝手に…それに、なんでお前が『優希』って呼ぶんだよ!」

 

   藤堂は相変わらず、こういうのに引っかかる。

   お前、社長だろ?もっと冷静になれよ!……って、無理か。

   昔から「優希、優希」って煩かったもんな。

   でももう優希は…

 

「僕の彼女だから、当然じゃないか」

「当然って、お前………完全復活しやがったな〜〜」

唸るように藤堂が言う。

 

「可愛い彼女のおかげさ。優秀な義弟(おとうと)ができて嬉しいだろ?」

バリバリ働くぜ、とニッコリ笑って言ってやる。

「扱き使ってやるから、覚悟しろよ?」

藤堂がニヤリと笑って応えた。

 

 

 

優希はあれから4人部屋に移ったが、近々退院する予定だ。

クリスマスは一緒に過ごすことになっている。

僕たちは、未来へと歩み始めた。

 

 

優希、…君を失わなくてよかった…

 

 

― End.―

 

 

 

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