姫の反乱(俊介side)
≪優希の病室にて≫
「そろそろ夕食の時間になるな…。俺は帰るけど、寂しくないか?」 「ううん。義人さんが来てくれるから大丈夫だよ♪」 花が咲いたような笑顔で答える優希。メチャメチャ可愛い。 だが… 俺は気に入らない。 ま〜た「義人さん」かよ! 「お兄ちゃん、お兄ちゃん」言ってた、可愛い優希は何処へ行った!?
「明後日、退院するときも来てくれるって♪だから、お兄ちゃんはいいよ?」 「いいよ、って優希…お前…」 俺は要らない、っていうことか!? 「だって…お仕事、忙しいんでしょ?」 「ヨシだって忙しいぞ。なのにアイツは仕事をサボって来るのかよ…」 ホント腹が立つ。
「義人さんは、ちゃんと休暇届出してOK貰ったって言ってたもん!サボりじゃないもん………」 「優希?」 え?おい、お前…泣く…のか? 「…義人さん、のことを…悪く言う、お兄ちゃんなんて…嫌い……」 「ゆう…き…」
優希は泣き出すし、同室の患者たち(小母様方)からは「あ〜ぁ、泣かせちゃったわねぇ…」なんて口々に言われるし、 「藤堂、なんで優希が泣いてるんだよ!」 タイミングを計ったようにヨシが来て、俺の方に迫ってくるし…
「…俺は帰るぞ」 もう勝手にしてくれ、そう言って病室を出てきた。
この俺が、優希に「嫌い」なんて言われたんだぞ? 泣きたいのはこっちだ!
― End.― |
- An original love story - *** The next to me ***